2012/4/2
外構工事でよく使われるコンクリートブロックの特性についてです。
コンクリート製品の特性
一般に、コンクリートブロック製品は他の建材に比べると、耐久性に富んだ建設材料です。そのため施工後のメンテナンスは、通常ほとんど必要とされません。(きちんとした施工をした場合)
しかし、近年の需要は、景観性に優れた化粧コンクリートブロックが主体となりつつあります。色合いや肌合いなど、化粧コンクリートブロックの特性をいつまでも損なわないようにご使用いただくには、状況に応じたメンテナンスが必要になります。
外観や耐久性を損なわせる原因としては、主に次のようなものがあります。これらは、一概に製品の性能上の欠陥ではありませんが、適切な予防と対策で、ある程度防ぐことができます。
白華
現象
「エフロレッセンス」とも言われます。主に水に融解したセメントのアルカリ成分が、大気中の二酸化炭素などと結合してブロック表面に白く表れる現象です。特にブロック製造直後や施工初期に多く、低い気温や高い湿度、雨や雪、風通しなどの影響により発生しやすくなります。レンガでよく見られますが、レンガ事態が白華するのではなく、セメントを使っている目地から発生します。
弊害
白華により製品の性能が損なわれることや、環境や人体に悪影響はありませんが、外観が損なわれるため、しばしば問題視されるることがあります。
凍害
現象
コンクリートの凍害には、2つのケースがあります。いずれも、特に気温差の大きい寒冷地で施工されたブロックでしばしば発生する現象です。
・初期凍害
コンクリートの初期硬化において、凍結または凍結融解の繰り返しにより強度低下や破損を起こす現象です。
・一般的にいわれる凍害
十分に硬化したコンクリートが、長い年月の間、凍結融解を繰り返した結果劣化するものです。
汚れ
現象
年数の経ったコンクリートブロックの表面は、雨や雪などの影響で物理的に劣化し、細骨材が露出してきます。露出面は一般的に多孔質化していくため、凸凹ができ、吸水率も高くなってきます。そこに粉塵やカビ菌が付着するため、汚れや黒ずみが生じます。
泥やホコリなどの他にも、カビや藻などがブロックの美観を損なわせる場合があります。特に湿度の高い時期や日陰に多く発生します。
注意
汚れを落とすために高圧洗浄機等を用いる場合には、事前に必ず目立たない場所でためし洗浄を行う必要があります。水圧が強すぎると、変色や剥離がおこる可能性があります。
ひび割れ
セメント製品は乾燥収縮により体積が減少します。気温の低下によっても収縮します。このような乾燥や温度変化が繰り返されると、ひび割れが発生します。発生の状況は場所や気候により様々です。
注意
コンクリートブロックにフェンス(アルミ製・木製・スチール)を取り付ける場合は、原則として重量ブロックを使用します。
特にモルタルに硬化促進剤を用いる場合は、混合剤との相性が悪くブロックに悪影響が及ぶ場合があります。
実際にあった事例では、施工時の充填モルタルに硬化促進剤を使用した場合、急激な乾燥、収縮等がおこり、フェンスの柱のところがブロックごとひび割れを起こした事例もあります。
フェンス施工など、安価な工事見積もりを出すところがありますが、硬化促進剤等を使い早く済ますエクステリア業者もいます。最初わからなくてもひび割れがおこりますので気を付けてください。
外構商材には色々な特性がありますが、それを防ぐ薬品も多く出ていますが、使用量等など取扱いがむずかしいものもありますので、外構業者の専門的なところに依頼しましょう。